<2018.5 追記>
こちらの記事は主に風疹(ふうしん)の予防接種を受けたかどうか調べる方法について書いたものですが、麻しん(はしか)の流行によりアクセスが増えております。風疹も麻疹も2種または3種の混合予防接種で受けていることが多いため、どちらの場合もこの記事は参考にしていただけます。
↓後日、こちらの記事もUPしましたのでご参考ください。
■この記事のもくじ■
妊娠中に風疹(ふうしん)になることの影響
妊婦が風疹にかかると危険?
妊婦さんが風疹に感染すると、先天性風疹症候群を発祥する恐れがあります。先天性風疹症候群とは、妊婦さんの風疹感染の影響で、胎児に次のような症状を発症させることです。
- 心奇形
- 眼の異常(白内障や緑内障)
- 聴力障害
- 髄膜炎
- 知的発育不全
実際に風疹が流行した年もあり、先天性風疹症候群の患者も報告されています。
平成25年には累計14,344例の報告があり、風しんが全数報告疾患となった平成20年以降(平成20年~平成25年)では最も多い報告数となりました。
平成24年からの流行の影響で、平成24年10月から平成26年10月までに、45人の先天性風しん症候群の患者が報告されました。
厚生労働省-風疹について (アクセス日:2017.2.19)
これらの危険を防ぐため、女性は妊娠する前に風疹の予防接種を受けていることが望ましいです。
予防接種は妊娠前に受けるべき

Pexels / Pixabay
厚生労働省は、妊娠する前に風疹の予防接種を受けることを呼びかけています。妊娠前に予防接種をしなかった妊婦さんは、感染しないようにするために、周りの家族が健康管理をしなければなりません。
妊娠中の女性は予防接種が受けられないため、特に流行地域においては、抗体を持たない又は低い抗体価の妊婦の方は、可能な限り人混みを避け、不要不急の外出を控えるようにしてください。また、妊婦の周りにいる方(妊婦の夫、子ども、その他の同居家族等)は、風しんを発症しないように予防に努めて下さい。
厚生労働省-風疹について (アクセス日:2017.2.19)
日本では、年代によって風疹の予防接種が必須だった世代と必須ではなかった世代があります。自分が子供の時にちゃんと受けていれば安心ですが、そうでない場合は風疹の予防接種を考えなければいけません。
そのため、これから妊娠したくて、その前に予防接種を考えている人は、まず自分に風疹の抗体があるかどうかを調べる必要があります。
自分に「風疹の抗体」があるかを調べる方法
①自分が風疹予防接種を受けているか調べる
1. まずは生まれ年を確認します。
日本では、国による予防接種の管理が、年代によってまちまちです。政府広報オンラインでは、年代による風疹ワクチンの接種状況を次のように報告しています。
[出典]政府広報オンライン 2017
※1:MMRワクチンとは、「麻しん(はしか)風しんおたふくかぜ混合ワクチン」のことです。無菌性髄膜炎発生率が高いため、使用中止となりました。
※2:MRワクチンとは、「麻しん(はしか)風しん混合ワクチン」のことです。
麻疹についてはこちら↓
2. 次に母子手帳を確認します。
上の表によると、私は生年月日が「昭和62年10月2日~平成2年4月1日」に該当し、「1回接種あり(幼児期に医療機関で個別接種)」である可能性が高いことが分かりました。この事実を、母子手帳で調べました。
手元に母子手帳があります。私は幼少期に千葉県に住んでいたため、この写真のものは千葉県交付の母子手帳です。
目次を見ると、46ページから49ページに、「予防接種」を記録するページがあります。
風疹に関連する予防接種の名称が記載されているかどうか確認します。49ページ目にて、「MMR」の文字が確認できました。当時住んでいた町の町長印も押してあります。
予防接種名称例
- 「MR」 または、「麻疹(はしか)・風疹混合ワクチン」
- 「MMR」または、「麻疹(はしか)・風疹・おたふく風邪混合ワクチン」または、「新三種混合ワクチン」 等
私はこの方法で、風疹の予防接種を受けたことを確認しました。
②一番確実。「風疹抗体検査」を受ける

qimono / Pixabay
予防接種を受けている、あるいは過去に風疹にかかったことがあっても、抗体が薄れている可能性があります。心配な方は、風疹の抗体検査を受けられます。
厚生労働省のホームページによると、多くの自治体で、無料の「風疹抗体検査」を受けることができるそうです。これは、風疹に対する免疫の状態を調べるための血液検査です。これから妊娠したい女性で、予防接種を受けているかわからない方、過去に風しんにかかったかどうか覚えていない方は、風しんの抗体検査を受けましょう。
1.自分の地域の保険所の連絡先を調べよう
こちらから、日本全国の保健所を検索し、連絡先を確認できます。

↑例えば、リンク先画面にて「東京都」をクリックすれば、写真のような東京都内の全保健所の連絡先一覧が見られる。写真は一覧の一部の抜粋
風疹の予防接種をしたはずなのに、抗体検査で免疫が低いと言われた。なぜ?
麻疹・風疹の予防接種は非常に有効な予防手段ですが、一度予防接種を受けた人に免疫がつ かないことがあります。麻疹・風疹の予防接種を2回行なうことによって、これらの人にもほぼ確 実に免疫を与えることができ、社会全体が麻疹・風疹に対して強い抵抗性を持つことができます。
国立感染症研究所-風疹Q&A (アクセス日:2017.2.19)
予防接種を受ける費用
大人になってからの風疹の予防接種は、自費診療です。費用は接種する医療機関によって様々です。
予防接種の場合
MRワクチン 1万円程度/1回
抗体検査の場合
3,000円~5,000円程度/1回
一番良いのは、お住まいの自治体で抗体検査が無料で受けられる場合、まずは無料で検査を受けることです。無料検査の結果、抗体が十分であれば予防接種は不要で結果的に費用もゼロ。抗体が不十分であれば医療機関にて自己負担の予防接種が必要となります。
つまり、まずは無料で抗体検査を受けた方が、費用を節約できる可能性が高まります。
母子手帳の大切さを改めて認識

sathyatripodi / Pixabay
結婚して、これから子供がほしいなと思い始めて、自分の予防接種状況を調べてみて実感したこと。
それは、母子手帳は一生物だということ。
関連記事:「20年をつづる母子健康手帳」入手困難?どこで手に入れる?
本当に、この一冊に入っている情報量は、自分の命の記録そのものです。成人したら、母子手帳は自分で管理するべきです。なるべくなら、家を出て自立するタイミングで親から母子手帳をもらうようにするのが良いのかなと思います。情報がほしい時になってあわてて親族に聞いたり母子手帳を探したりということのないように、いつでも自分の手元に自分の情報がある、という状態が望ましいです。どうしても親族が管理をしたいなら、自分用にコピーをとるか、大事そうなページはスキャンして電子版としても保管するということを徹底したほうが良いですね。
<追記>風しんの抗体検査結果発表
私が実際に風しんの抗体検査をしてみた様子をレポートしていますので、こちらも記事もぜひ参考にしてみてください。
上記記事内でも説明がありますが、妊娠すると、妊娠9週目ぐらいで初期検査という血液検査が行われます。これは、妊婦さんの現在の健康状態を調べ、赤ちゃんへ影響がある問題がないかどうか、アドバイスをするためのものです。この血液検査では風しんの抗体も確認できるので、ぜひ知っておいてくださいね。